CBB(Coomassie Brilliant Blue; クマシーブリリアントブルー)染色は、SDS-PAGE後のポリアクリルアミドゲルの染色試薬です。
本記事では試薬メーカーの販売するCBB染色液を価格とともに紹介します。
- 【1溶液タイプ】各社のCBB染色試薬一覧と価格比較
- 【2溶液タイプ】各社のCBB染色試薬一覧と価格比較
- 【1溶液タイプ】各社のCBB染色試薬の紹介
- コスモ・バイオのPage Blue 83 Stain Reagent (CBB-R250)
- 関東化学のラピッドCBB KANTO 3S
- タカラバイオのTaKaRa CBB Protein Safe Stain
- アトーのEzStain AQua (イージーステイン アクア)
- BIO-RADのクマシーブリリアントブルー R-250 染色液
- 富士フイルム和光純薬のクイックCBBプラス
- ナカライテスクのCBB Stain One(Ready To Use)
- BIO-RADのBio-Safe クマシーステイン
- Thermo Fisher ScientifcのPageBlue™ Protein Staining Solution
- BIO-RADのQC Colloidal Coomassie Stain
- バイオダイナミクスのQuickBlue Staining Solution
- Thermo Fisher ScientifcのSimplyBlue™ SafeStain
- Thermo Fisher ScientifcのImperial™ Protein Stain
- FastGeneのQ-ステイン
- ナカライテスクのBullet CBB Stain One(Ready To Use)
- 【2溶液タイプ】各社のCBB染色試薬の紹介
- CBB染色試薬を自作したい方はこちら
- 各社SDS-PAGE用プレキャストゲルの価格比較はこちら
【1溶液タイプ】各社のCBB染色試薬一覧と価格比較
市販されているCBB染色試薬は、大きく分けて1液タイプと2液タイプの2種類があります。
まずは1液タイプのCBB染色試薬の各社一覧です。
50mLを1回として回数を計算しました。一番右の列は染色一回あたりの価格です。製品名には試薬メーカーのページへのリンクを貼っています。
最安値は コスモ・バイオのPage Blue 83 Stain Reagent (CBB-R250) でした。1回当たり300円の安さです。
試薬メーカー | 製品名 | 容量 | 価格 ,円 | 価格/回 ,円 |
---|---|---|---|---|
コスモ・バイオ | Page Blue 83 Stain Reagent (CBB-R250) | 500mL (10回用) | 3,000 | 300 |
関東化学 | ラピッドCBB KANTO 3S | 1L (20回用) | 8,000 | 400 |
タカラバイオ | TaKaRa CBB Protein Safe Stain | 1L (20回用) | 10,500 | 525 |
アトー | EzStain AQua (イージーステイン アクア) | 1L (20回用) | 10,600 | 530 |
BIO-RAD | クマシーブリリアントブルー R-250 染色液 | 1L (20回用) | 11,000 | 550 |
富士フイルム和光純薬 | クイックCBBプラス | 1L (20回用) | 11,500 | 575 |
ナカライテスク | CBB Stain One(Ready To Use) | 1L (20回用) | 13,000 | 650 |
BIO-RAD | Bio-Safe クマシーステイン | 1L (20回用) | 18,500 | 925 |
Thermo Fisher Scientifc | PageBlue™ Protein Staining Solution | 1L (20回用) | 19,200 | 960 |
BIO-RAD | QC Colloidal Coomassie Stain | 1L (20回用) | 20,000 | 1,000 |
バイオダイナミクス | QuickBlue Staining Solution | 500mL (10回用) | 11,000 | 1,100 |
Thermo Fisher Scientifc | SimplyBlue™ SafeStain | 1L (20回用) | 23,500 | 1,175 |
Thermo Fisher Scientifc | Imperial™ Protein Stain | 1L (20回用) | 28,400 | 1,420 |
FastGene | Q-ステイン | 1L (20回用) | 30,000 | 1,500 |
ナカライテスク | Bullet CBB Stain One(Ready To Use) | 1L (20回用) | 34,000 | 1,700 |
【2溶液タイプ】各社のCBB染色試薬一覧と価格比較
続いて2溶液タイプのCBB染色試薬の価格比較です。
1溶液タイプと同じく50mLを1回として回数を計算しました。
最安値は “富士フイルム和光純薬のクイック-CBB”と”関東化学のラピッドCBB KANTO” でした。1回当たり230円でした。
試薬メーカー | 製品名 | 容量 | 価格 ,円 | 価格/回 ,円 |
---|---|---|---|---|
富士フイルム和光純薬 | クイック-CBB | 2L用 (40回用) | 9,200 | 230 |
関東化学 | ラピッドCBB KANTO | 1キット (20回用) | 4,600 | 230 |
ナカライテスク | ラピッドステインCBBキット(2L用) | 1set (40回用) | 9,500 | 238 |
アンテグラル | 高感度CBB染色キット | 1キット (20回分) | 18,000 | 900 |
【1溶液タイプ】各社のCBB染色試薬の紹介
ここでは1溶液タイプのCBB染色試薬を価格が安い順に紹介していきます。
製品説明文や特徴は各社の製品ページからの引用です。
コスモ・バイオのPage Blue 83 Stain Reagent (CBB-R250)
残念ながら製品ページに説明がありませんでした。
関東化学のラピッドCBB KANTO 3S
関東化学では、従来のCBB染色液に改良を加え、検出感度の向上、染色・脱色速度の向上を実現した調製済みの染色液をご用意しております。
- Speed
Ready-to-useで希釈の必要がありません。
洗浄-染色-脱色の3ステップで最短1時間で検出できます。 - Sensitivity
従来品より感度が向上しています。従来のCBB G-250染色液よりも識別しやすい、青い色調が特徴です。 - Safety
メタノール・酢酸不使用。
固定液不要で洗浄も脱色も精製水のみで使用いただけます。 - 電子レンジを用いた時間短縮が可能
タカラバイオのTaKaRa CBB Protein Safe Stain
TaKaRa CBB Protein Safe Stainは、Coomassie Brilliant Blue G-250を主成分として独自の組成に調製されたタンパク質の高感度染色液で、SDS-PAGEあるいはNative PAGEを行ったゲルを短時間で染色することができる。
染色開始後約5分でタンパク質のバンドを確認でき、60分間の染色で最高感度が得られる。染色後に脱イオン水で脱色することにより、バックグラウンドを下げることも可能である。本製品を用いて染色した場合、最高感度で8 ngのタンパク質のバンドを検出することができる。
本製品は有害なメタノールや酢酸を含まず、また、脱色時にメタノールや酢酸を含む脱色液を使用する必要もないため、安全に取扱うことが可能である。
- CBBを主成分として調製されたタンパク質高感度染色液
- 迅速(染色開始後約5分でタンパク質のバンドを確認可能)
- 有害なメタノールや酢酸を含まない
- 脱イオン水で脱色可能
アトーのEzStain AQua (イージーステイン アクア)
ポリアクリルアミドゲル電気泳動後のタンパク質検出用CBB染色溶液です。酢酸・アルコールフリーで水の脱色で鮮やかなブルーのバンドが感度よく得られます。
- 有機溶媒や酢酸未使用→廃液や臭いへの気遣いを削減
- ready to use →トレイに注ぐだけの簡単作業
- 感度はタンパク質数ng/band
- 検出時間30~120分間短時間で検出
- 鮮やかなブルーのバンド
- 蒸留水による脱色で透明に近いバックグランド
BIO-RADのクマシーブリリアントブルー R-250 染色液
CBB R-250 染色溶液を使用すると、ポリアクリルアミドゲルのCBB染色を簡便に行うことができます。 CBB R-250 染色溶液および脱色溶液は、調製済みなのですぐに使用いただけます。
富士フイルム和光純薬のクイックCBBプラス
CBB-G250を用いたクイック-CBBの改良型です。固定処理や脱色操作が不要なので短時間で染色できます。
また、環境に配慮し、メタノールや酢酸などの有機溶媒を使用しません。バックグラウンドも低く改良されています。
- 有機溶媒を使用しない
- 簡単かつ迅速に染色可能
- バックグラウンドはほとんど染まらない
- 電子レンジ使用により、約10分で検出可能
ナカライテスクのCBB Stain One(Ready To Use)
1 液タイプで調製不要の電気泳動用タンパク質染色液 CBB Stain One は、MS でもご使用いただけます。
- 1 液で染色可能な ready to use タイプ
- 精製水のみで脱色可能
- ng レベルのタンパク質を検出可能
- 刺激の強い酢酸、メタノール不含
- MS への適用可能
BIO-RADのBio-Safe クマシーステイン
クマシーブリリアントブルー G-250 を用いたタンパク質のゲル染色キットです。染色から脱色まで酢酸やメタノールを使用しませんので、CBB染色特有の臭いもなく、またゲルが収縮する心配もありません。Ready-To-Use で事前調製の必要がなく、そのままご使用いただけます。
Thermo Fisher ScientifcのPageBlue™ Protein Staining Solution
PageBlue Protein Staining Solutionは、高感度でコストパフォーマンスの高いコロイド状クマシーG-250染色液です。メタノールや酢酸を使用せずにポリアクリルアミドあるいはPVDFメンブレンのタンパク質染色に使用できます。
- 簡便
Ready-to-useなのでそのままゲルの染色に使用できます。また、脱色は不要です。 - 短時間
25-40分間で染色が完了します。 - 安全
メタノールも酢酸も含まれていません。 - 広いダイナミックレンジ
5-500ngのタンパク量範囲において、高い直線性の検量線を得られます。 - 高コストパフォーマンス
3回まで同じ染色液を再利用できます。
BIO-RADのQC Colloidal Coomassie Stain
QC Colloidal Coomassie Stain は、メタノールを使用することなく SDS-PAGE ゲル後のタンパク質を染色するのに使用します。
- 低バックグラウンド、高感度、高再現性
- 有害物質を含まない — メタノールまたは酢酸添加の必要なし (有害廃棄物として処理する必要がない)
- 染色および脱色時間の柔軟性が高い — 1 時間~一晩
- ポリアクリルアミドゲルの染色時にアルコール添加または希釈ステップの必要なし
- 1 液タイプで Ready-To-Use の CBB 染色剤
バイオダイナミクスのQuickBlue Staining Solution
電気泳動したポリアクリルアミドゲル中のタンパク質を短時間かつ高感度にCBB染色できる試薬です。高感度(≧ 8 ng)にもかかわらず,90 分で全工程の操作を完了できます。
特に染色時間は 20 分と短時間な上,染色開始からわずか数分でバンドパターンが確認できます。
- 検出限界は 8 ng と高感度です。
- 洗浄・脱色を含めた染色の全工程を約 90 分で行えます。特に,染色は短時間(20 分)で済みます(図参照)。
- 染色開始から数分でバンドのパターン(~100 ng)を確認できます(図参照)。
- 染色,または脱色を一晩行うことも可能です。
- ゲルの脱色は脱イオン水のみで行います。
- 刺激臭を有する酢酸やアルコールを使用しません。
- 本試薬500 mlで,ミニゲル約 20 枚分を染色できます。
Thermo Fisher ScientifcのSimplyBlue™ SafeStain
Ready-to-useで高感度なクマシーG-250染色試薬です。ポリアクリルアミドゲルあるいはPVDFメンブレンのタンパク質を短時間で染色できます。また、メタノールや酢酸を必要としないため安全です。
Thermo Fisher ScientifcのImperial™ Protein Stain
Imperial Protein Stain is a ready-to-use colorimetric stain formulated with coomassie dye R-250 that delivers consistent nanogram-level detection of proteins in polyacrylamide electrophoresis gels or nitrocellulose membranes.
Ready-to-useのクマシーR-250染色液です。ポリアクリルアミドあるいはニトロセルロースメンブレンのナノグラムレベルのタンパク質を検出できます。
- 高感度
3時間プロトコルなら3ngのタンパク質を検出できます。 - 短時間
20分間プロトコルでも6ngのタンパク質を検出できます。 - 高いS/N比
一般的なクマシーブリリアントブルーよりも高いS/N比です。 - 汎用性
染色後のタンパク質は質量分析やシーケシングに使用できます。 - 他に必要なものは水だけ
固定も脱色も不要なので酢酸やメタノールは不要です。 - 高い安定性
室温で1年間は劣化しません。
FastGeneのQ-ステイン
- Ultra-fast staining
染色手順全体は約10 分~60分(一般的なCBB染色法は、170~200分) - Single-Step procedure
ゲルの前固定処理不要、脱色不要、脱色液交換不要 - High sensitivity
45 ngのバンドが検出可能 *弊社自社ラボ検証結果 - Efficient
25ml/ゲルで染められます(40枚/1ℓボトル) - Methanol free
有害なメタノールを使用していないため、他の染料よりもはるかに安全に使用できます。また、メタノールの脱水効果に伴うゲルの収縮やしわを生じません。 - Compatible for mass spectrometry
メタノールや酢酸を使っておりませんので不要なメチル化やアセチル化が起こりません。このため、MS分析に最適です
ナカライテスクのBullet CBB Stain One(Ready To Use)
Bullet CBB Stain One は、CBB 染色を 1 ステップ、15 分で完了する 1 液タイプの CBB 染色液です。弊社従来品と比較して、染色時間とステップ数が少なく、短時間で明瞭な染色像を確認できます。また、脱色操作が不要のため、染色像は染色中に確認することができます。
- 1 ステップ、15 分で染色完了
染色液の調製が不要な ready to use タイプ
染色前のゲルの水洗が不要
脱色操作不要でも明瞭な染色像
室温で振とうするだけの操作 - 刺激の強い酢酸やメタノール不含
- 高感度検出が可能(数十 ng)
【2溶液タイプ】各社のCBB染色試薬の紹介
続いて2溶液タイプの各社CBB染色試薬です。こちらも価格が安い順に紹介します。
富士フイルム和光純薬のクイック-CBB
CBB-R250を用いた一般のCBB染色の改良タイプです。固定処理後、クイックCBB溶液に浸すだけでタンパク質が染色されます。脱色操作が不要なので、短時間でSDS-PAGE後のタンパク質バンドを検出できます。固定液と染色液のキット製品です。
- 約50分で検出可能
- 試薬の調整は染色液Aと染色液Bを等量混合するだけ
関東化学のラピッドCBB KANTO
経時変化に強く、脱色後にMS解析も可能な2液タイプのCBB染色試薬です。
- 簡便
溶解・ろ過等の調製の手間を軽減する、2液等量混合タイプの調製液です。
自家調製によるバラつきを抑えて、再現性の良いデータを取得できます。 - 高感度・短時間
従来のCBB染色と比較し、染色感度が向上、脱色時間が短縮しました。 - 脱色後にMS解析が可能
ナカライテスクのラピッドステインCBBキット(2L用)
製品説明文はありませんでした。
アンテグラルの高感度CBB染色キット
ポリアクリルアミドゲル用タンパク質染色液です。アプロサイエンスが独自に開発したエンハンサー試薬によって、高感度染色が可能です。酢酸やメタノールを含まないReady-to-Useの1液タイプで、水で脱色が可能です。
- 独自の増感試薬による高感度検出(3-5ng/バンド)
- 刺激の強い酢酸、メタノール不含
- 1液で染色可能なready to useタイプ
CBB染色試薬を自作したい方はこちら
CBB染色液を自作する方法とプロトコルを原理とともに紹介しています。
各社SDS-PAGE用プレキャストゲルの価格比較はこちら
アトー、富士フイルム和光純薬、Bio-Rad、Thermo Fisher Scientific、テフコ、ナカライテスクなどのプレキャストゲルの価格比較表を作りました。
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