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イルミナがバイオインフォマティクス企業BlueBeeを買収【イルミナの売上は?】

イルミナがバイオインフォマティクス企業BlueBeeを買収

イルミナ(illumina)
BlueBee

2020年6月17日、イルミナ(illumina)社は、研究・臨床ユーザーへ遺伝子解析ソリューションを提供するクラウド型ソフトウェア企業BlueBee社の買収を発表しました。この買収により、遺伝子シーケンスデータ分析のサービスを強化する狙いです。買収額など買収条件は公開されていません。

オランダを拠点とするBlueBee社は、高いセキュリティを持つクラウドプラットフォームを保有しており、ユーザーがクラウド上で遺伝子シーケンスデータを容易に解析できるサービスを提供している。

イルミナ社は、BlueBee社のクラウドプラットフォームを利用し、次世代シーケンサーを導入しているイルミナの顧客から送られてくる膨大な量の遺伝子シーケンスデータの保存、共有、管理をすることで、これまでよりもコストを削減できる見込みである。

BlueBeeのクラウドサービスをイルミナのクラウド・ポートフォリオに統合することで、ユーザーはクラウド上で独自の分析を実行したり、DRAGEN Bio-IT Platform(シーケンスデータ高速二次解析ツール)など最先端のツールを利用することができるようになる。

BlueBeeは、直感的な分析管理(BlueFlow)、マルチモーダルデータ管理(BlueBase)、データサイエンスおよびAIツール(BlueBench)、ビジネスアナリティクスのプラットフォームを提供している。
これら機能は、シーケンシングラン管理とデータ共有のために最も広く利用されているソフトウェアの1つであるBaseSpace™ Sequencing Hubを含むイルミナのクラウド・ソフトウェア・ポートフォリオに追加される。

BlueBeeのクラウドサービス
BlueBeeのクラウドプラットフォーム
出典:BlueBee.com

両社の期待

イルミナの製品開発部門のSenior Vice PresidentであるSusan Tousi氏は次のように述べています。
「BlueBeeチームをイルミナに迎えることで、ユーザーへ効率的で安全な大規模ゲノミクスデータ分析方法を提供できることを期待しています。臨床研究とトランスレーショナルリサーチの両方において、スケーラブルで効率的かつ拡張性の高いゲノム解析ソリューションを提供することができるようになると思います。」

BlueBeeのCEOであるHans Cobben氏は、「イルミナとの協力により、ゲノムのサンプルから解析への効率的なシステムを構築し、シーケンスデータの有用性をさらに高めることができます。クリニカルリサーチへ一層の貢献ができるようになるだろう。」と述べています。

イルミナ(illumina)の会社概要

イルミナ社は、遺伝子解析のためのライフサイエンスツールと解析システムの開発、製造、販売を主な事業としています。シーケンシング、遺伝子タイピング、遺伝子発現、分子診断など幅広い市場に対応する製品とサービスを提供し、包括的な遺伝子解析ソリューションを提供しています。

イルミナ(illumina)の2つの事業

同社は、ライフサイエンス事業部(Life Sciences Business unit)と診断薬事業部(Diagnostics Business unit)の2つのセグメントで事業を展開しています。

ライフサイエンス事業部は、シーケンシング技術、ビーズアレイ技術、リアルタイムPCRをベースとした製品群を中心に、研究市場へ製品およびサービスを提供しています。

診断薬事業部は、次世代の分子診断技術の開発に力を入れています。同社の顧客には、学術機関、政府機関、臨床研究機関のほか、製薬、バイオテクノロジー、アグリゲノミクス、コンシューマーゲノミクスなどの企業が含まれます。

イルミナ(illumina)の売上高

イルミナの2019年の売上高は、USD3,543 millionsでした。 日本円で3,897億円($=110円)です。次世代シーケンサーの普及や遺伝子解析技術の高度化に伴い売上高を伸ばしています。2016年の売上高USD2,220 millionsと比較すると、売上高は約1.6倍になりました。

イルミナの年別売上高
出典:2019 Annual Report and Form 10Kより作成

イルミナ(illumina)の沿革

同社は、1998年4月にDavid Walt博士、Larry Bock博士、John Stuelpnagel博士、Anthony Czarnik博士、Mark Chee博士によって設立されました。ベンチャーキャピタルのCW Groupの出資を受け、後のビーズアレイとなる基盤技術をTufts Universityから独占ライセンスを得ました。株式が公開されたのは2000年7月です。

イルミナは、2001年に一塩基多型(SNP)ジェノタイピングサービスの提供を開始し、2002年にはGoldenGate Genotyping技術を使用した最初のシステムであるIllumina BeadLabを開始しました。

2007年1月26日、Solexa, Inc.の買収を完了しました。Solexa社は、Shankar Balasubramanian博士とDavid Klenerman博士によって1998年に設立され、彼らがケンブリッジ大学で発明したゲノムシーケンス技術の実用化を目指していました。この技術は、全ゲノムリシークエンス、遺伝子発現解析、RNA解析など、様々な解析に利用されています。

2009年6月、深度30xのパーソナルフルゲノムシークエンシングサービスを1ゲノムあたり48,000ドルで開始し、1年後には19,500ドルに値下げました。2011年5月にはIlluminaは価格をさらに4,000ドルに引き下げました。

2011年1月11日、Epicentre Biotechnologiesを買収しました。

参考文献

BlueBee:BlueBee.com
Businesswire:Illumina Acquires BlueBee to Accelerate Processing, Analysis and Sharing of Next Generation Sequencing Data at Scale,June 17, 2020.
Companies History.com:illumina
illumina:2019 Annual Report and Form 10K.
Illumina:Illumina Acquires BlueBee to Accelerate Processing, Analysis and Sharing of Next Generation Sequencing Data at Scale, Press release,June 17, 2020.

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